卿とシィ 3 | 迷い子大失笑

卿とシィ 3

そんな訳でシィを看取り、火葬にしてお骨を安置した。

毎日朝、夜お参り。

今まで通り
『シィ!行ってくるよ。良い子にしてるんだよ』
『シィ!ただいま!良い子してた?今日は何をしてあそんでたの?』


忙しい日々を送るうちようやくシィが居ない日々になれてきた。
それでもたまらなく寂しくなるし、色々なことを考えてしまう。


母『シィは卿が帰ってくるのを待っていたんだよ!
だから顔見て安心して、すぐ急変して息を引き取ったんだよ。
卿に会いたかったからそれまで待っていたんだよ!』



そうかもなあ。
シィに最期に会えて良かった。


父『たまに聞くけど本当にあるんだなあ』



また涙が出た。
苦しかっただろうなあ、卿を待っていてくれたのかな?いつ帰ってくるかわからないのに苦しかったよなあ。


看取れてほっとしたがシィを苦しませたんじゃないか?って自己嫌悪も持っている。

家族みんなで囲んで看取れたのは良かった。
もし自分なら最期は家族に会いたい。


悩んでもしょうがないけどそんな事を良く考えた。

どんなことを間際に思うのかな?

生まれ故郷の海岸やお母さんや兄弟のことを思い出すのかな?

やっぱり五感で感じることかな?

いつも見ていた窓の外を、風通しの良い廊下や玄関、生まれた故郷のお母さんや兄弟ネコや卿や家族の顔が浮かぶのかな?

いつも聞いていた、卿や家族の声を、雨の音を生まれた故郷の海の音が聞こえるのかな?

窓際で感じる暖かな風や日差しを夏の暑さや冬の寒さ、いつも一緒に寝ていた卿の体温を感じるかな?

家に来た頃死にかけたり、尻尾折ってしまった時、苦しかったことを思い出すのかな?

いつも食べるカリカリをたまに食べるご馳走を大好きなおやつまた食べたくなるのかな?


取り留めないことばかり考えてしまう。

もっとしてやりたいこともあった。
でも出来る限り側に居た。 

シィが居るからあまり旅行とか行く気にならなかった。シィとまったりするのが大好きだったから。

嫌な事があってもシィをモフモフすると大体解消した。

この10年はシィとの10年でいっぱいいっぱい色々なものを貰った。
本当にシィとの時間はかけがえのない時間だった。


朝シィにペロペロされて目が覚めて、午前はシィなでなでしながら録画したテレビ見て
昼にぷうとラーメン食べて、シィと昼寝して。
夕方ゲームしながらシィ抱っこして
夜お風呂入って、ゴロゴロしながらシィと遊んで。
眠くなったらシィ抱っこして寝る。
今思うと幸せな休日だよね。




卿はシィが大好きだからしばらく穴は塞がらないけどシィに恥じないよう頑張らないとって思う。



いつかシィが居ない日々が当たり前になる。
それでもシィと過ごした日々を忘れないし、共に過ごした時間を愛しく愛しく思う。
今はまだ思い出すと涙が出るけど泣く思い出では無くてクスリと笑うそんな色々なシィとの思い出。

スマホにも写真いっぱい。このブログにもいっぱい居る。



もう一回言うけどシィと過ごした日々を忘れない。
毎日一緒にのんびりしたり、ハラハラしたり、遊んだり。
そんなシィとの日々を僕は忘れない。