卿とシィ 2 | 迷い子大失笑

卿とシィ 2

前回同様、シィが火葬になる描写があります、ご注意下さい。




シィが息を引き取ってからしばらくぼんやり。

ぼんやりシィを海岸で出会ったこと、すぐに死にそうになったこと、子猫のころ、卿が入院した頃のこと、一年半前も死にかけたこと、最近のこと、色々思い出した。

卿は馬鹿だからなんてことない日々がいかにかけがえのない日々だったかこうゆう事で痛感する。




泣きながら体を綺麗にして寝かせる。
寝ているようにしか見えないけど、触ると暖かくなくて思い知らされる。
人間もだが死ぬと排泄物が出ちゃうから綺麗にして紙おむつ履かせて居間に安置した。





台所のエサコーナー、廊下、玄関のタイル、窓際、裏の窓際、居間、卿の部屋どこを見てもシィが居そうな気がした。
目の前で息を引き取るのを見ていてわかっているのにまたひょっこりカーテンの影から、窓際から、卿のタオルケットの中からシィが出てきそう。



何食べても味しないし、味気ない。
明日ペットの火葬番号へ行くことになった。

その夜、ベッドの隣にシィのベッドを置いて寝た。
あんなに毎日一緒に寝ていたのにもうシィがこの世に居ないって思うとまた涙が出た。




次の日、午前に予約をして午後2時火葬場へ行く。
昔愛犬のチャンプもここで火葬して、毎日お盆はお参りに来る場所。


色々説明を受けて簡単なお経をあげてもらう。
祭壇に安置されたシィはやっぱり寝ているだけみたい。
早く起きなきゃ火葬にされちゃうよ?

お経が終わり、シィが移され大好きなタオルや花、卿のTシャツをかけられたシィが火葬場へ

予約取る時に飼い主さんの匂いのするものを一緒にって言われたからTシャツをかけた。


ここまでも何回も涙が出て、こんな涙が出るんだなって思っていた

いよいよ、シィが荼毘にふされる。
ここが一番涙が止まらなかった。
シィが台に載せられた。

やめて、シィを、僕のシィを焼かないで!って子どもみたいに真面目に思った、たまらなかった。
もちろんわかっている。




絞り出すようにお願いしますと伝えて30分位待ち、お骨を拾った。


家に帰り、祖父の葬式でも使った祭壇を組み立ててシィを安置する。

あんなにフカフカもこもこしてたのに。
卿はまた涙が出た。